しんちゃんの映画、すごく好きでね。まったく違うものとしても楽しめたし、原作と同じように表現しているところもあるし。その具合が丁度よくて。監督は、しんちゃんの映画がすごく好きで、それでこの映画を作ったんだなーという感じを受けました。


私は戦国物が実は苦手で。人がぐさぐさとやられていったり、どっかんどっかんと派手な戦闘は好きでないのです。心臓がもたないの。私が映画に求めるのは、派手さや迫力よりも人間関係をわかりやすく、丁寧に描いているかどうかなんだよね。バラッドは戦国物でありながら、人間関係を丁寧に描いていて、どのキャラもはっきりしててわかりやすくて、その辺りが見ていて楽しかった。

又兵衛が撃たれてしまうラストは知ってはいても辛かったなぁ。愛する人が戦場から生きて帰ってきた、これから2人で生きていける、目の前に輝かしい未来が広がった瞬間に、愛する人を目の前で失った廉姫の気持ちを考えるとやりきれません。それでも又兵衛は、泣いたり悔やんだりしないで、自分の運命を静かに受け入れるんだな。そんな又兵衛に武士の、男の強さを見て、ぐっときました。かっこいいぜ、又兵衛。でも、そんな又兵衛が悲しかった。


写真を撮るくだりはしんちゃんにはないんだけど(ひろしはサラリーマンだしな)パパの職業をカメラマンにしたことで、すごく自然に戦国時代にカメラを登場させて、それがエンディングまで上手に使われていて、すごいなぁと思いました。正直最初は「ひろしがカメラマンだなんて…!そんなお洒落なのひろしじゃないわ!」と思ったけど、川上一家は野原一家とは全く違ったものとして見ることができました。それでも原作のおもしろさ(両親が戦国時代に来て、すぐに帰ろうと必死になることろや、パパが車をとばして「保険おりねーぞ!」っていうところとか)はきちんと残っていて、嬉しかった。



笑いながら、どきどきしながら、静かに涙が流れるような、そんな映画だった。人を愛するって、いいですね。誰か私のことも命がけで守ってくれないかしら(何から?)2回目を見たら、また感想はかわると思うけど。それでも私はすごく素敵な映画だと思うし、好きなお話のつくりだなーと思います。早くもう1回みたいなぁ。次に見るのは5連休かな。


あ、どうでもいいけど。1番笑ったのは、実は又兵衛さんがビールを飲むシーンでしたよ。いやーでんぐり返しするかと思ったYO!